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無の操体

奈良操体の会のブログです。痛みなどの不快な症状は、実は体をちょこっと動かすだけで消すことができます。この一人操体法を身につけて、日常生活にとりいれると、「快」の極楽世界が待っています。

私たちの自覚症状〔感じ方・動き方・見分け方・戻し方〕

からだを動かしたときに、次のような経験をしたことがありませんか?
 Aさん:右に振り向くと首の左が痛いけれど、左に振り向くと痛くない
 Bさん:左に振り向くと左の背中が痛いけれど、右に振り向くと痛くない
 Cさん:右に振り向くと左肩が痛み、左に振り向くと右肩が痛む
 Dさん:ジッとしていると痛くは無いけれど、左手を挙げると腰の右が痛む
 Eさん:ジッとしていても右の股関節が重だるい

こんな時、私たちの〔こころ〕は似た反応をする。
 Aさん:首の左が悪い
 Bさん:左の背中が悪い
 Cさん:左肩と右肩が悪い
 Dさん:腰の右が悪い
 Eさん:右の股関節が悪い
 そして〔自分は特別悪い事はしていない〕と・・・

そこで〔今、悪いと思っているところ〕、
つまり〔今感じている症状〕を、ユックリユックリ動かしてみる
 Aさん:右に振り向くと痛みが増える
 Bさん:左に振り向くと痛みが増える
 Cさん:右に振り向いても、左に振り向いても痛みが増える
 Dさん:左手を挙げる痛みが増える
 Eさん:実際にからだを動かしてみないと、増える方は分からない

この5人に共通している事は、
〔目立つ症状〕が問題で、
〔感じているところ〕が悪く、
〔自分は特別悪いことをしていない〕と言う認識では無いだろうか?

確かに〔問題でない〕と思っている症状に関しては
〔問題意識〕は持ちにくいようである。
しかし、ここで気をつけたい事は〔問題でない〕と思っていることが、
〔問題がない〕ということとは必ずしも一致しないということである。

どこを、どのように動かしたとしても、
本当に〔問題は無い〕のであれば、
痛みはもちろんのこと、緊張感も、動きに伴う抵抗感も、
からだの部分の存在感も、
〔何ともない〕と言う状態である。

〔問題でない〕と言う人間の判断は、
当人にとって〔問題だと思えるような症状がない〕というだけのことであって、
折角からだが表してくれた警告信号であるにも拘わらず、
〔問題でない〕と言う仕分けをした
≪人間の判断に問題≫があるということに気付く必要があるのではないでしょうか?
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“連動”とはね・・・

先日“連動とは何ですか?”と尋ねられた。
そのときのやりとりの要点を書いてみます。

Q:連動とはどういうことですか?
A:良くも悪くも、一緒に動くことです。
Q:悪い連動もあるのですか?
A:もちろんあります。
Q:具体的なイメージが湧き難いのですが・・・
A:そこのベッドに立て膝をして寝てごらん。
Q:・・・・・はい。
A:右足の爪先を反らしてごらん!
Q:・・・
A:どこに力が入っていますか?
Q:爪先です。
A:爪先だけですか?
Q:はい!
A:右の足首には、力が入っていませんか?
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介護操体 ⑤(身の置き所)


93歳になる母の介護をしていて教わった事。

現在、
心不全と、
甲状腺腫瘍(左)とともに、
老齢の母は寝込んでいる。

4年ほど前だったと思うが、
心不全が悪化して入院して以来、
体の右を下にして寝るようになった。

退院してからも、
右を下にして寝ていると、
テレビを見たり話しかけたりしやすいからだと
勝手な解釈をしていた。

今年の正月に入ってから、
急に体力が衰え、
食事とトイレ以外には座ることさえない。

いつも右を下にして寝ているので、
床ずれの一歩手前までなっていた。
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『第2回21世紀統合医療フォーラム』印象記 ⑥



第一日目のワークショップ①
私、北村翰男がさせて頂いた。
大きな流れは〔観察⇔考察⇔実習⇔生き方の変容〕であった。

 前回は、 “二つの予備実習”の内、◆からだ全体を見渡せるようにするための実習について書いた。

 ここでは、◆微小感覚を見落とさないようにするための実習について、
実際のやりとりに先立って、
如何に“小さいけれど、大切な情報を見落としているか”
ということに気づいて頂く為の要領について書いて置く。

◆目的は、“小さくても、小さいなりの意味がある情報”に気づき、
対応できるようになること。
◆故に、からだを動かしてみることによって、
多くの人が問題とみている“痛み”の有無を問いかける。
◆その中から、どっちへ動かしても“痛くない”という人を選んで
モデルになっていただく。
◆そして、対をなす逆向きの動き
(例えば、内向きの捻じりと外向きの捻じり)をして頂き、
みんなの見ている前で“どっちへ動かしても、
何ともない”ということを確認する。
◆今度は改めて、先程とは少し違う問いかけをすることを断ったうえで、
“強いて言えば、か~るく動かせる方はどっち向き?”と言うように問い直す。
◆抵抗がなく、軽く動かせる方を確認したうえで、
それでは反対の方へ動かしたら、
どの辺りに抵抗感があるの?と、問い直す。
◆そして、この痛くもなんともない“抵抗感”も、
操体時の手がかりとして拾い挙げるようにしないと、
本当に何ともない“快適な状態”へはたどり着けない、という事を知って頂く。

 それでは、実際にしゃべっているように書いてみる。 【“『第2回21世紀統合医療フォーラム』印象記 ⑥”の続きを読む】

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『第2回21世紀統合医療フォーラム』印象記 ⑤


第一日目のワークショップ①
私、北村翰男がさせて頂いた。
大きな流れは〔観察⇔考察⇔実習⇔生き方の変容〕であった。

前回は、実際に「観察記録用紙」に書き入れていただく前に、
毎回どなたにもしていただく“二つの予備実習”があると書いた。
◆からだ全体を見渡せるようにするための実習
◆微小感覚を見落とさないようにするための実習

 この実習の要点は次回に書かせて頂く、と書いたので、その続き。
まず、◆からだ全体を見渡せるようにするための実習、について、実際にしゃべっているように書いてみる。
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