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無の操体

奈良操体の会のブログです。痛みなどの不快な症状は、実は体をちょこっと動かすだけで消すことができます。この一人操体法を身につけて、日常生活にとりいれると、「快」の極楽世界が待っています。

介護操体 ⑤(身の置き所)


93歳になる母の介護をしていて教わった事。

現在、
心不全と、
甲状腺腫瘍(左)とともに、
老齢の母は寝込んでいる。

4年ほど前だったと思うが、
心不全が悪化して入院して以来、
体の右を下にして寝るようになった。

退院してからも、
右を下にして寝ていると、
テレビを見たり話しかけたりしやすいからだと
勝手な解釈をしていた。

今年の正月に入ってから、
急に体力が衰え、
食事とトイレ以外には座ることさえない。

いつも右を下にして寝ているので、
床ずれの一歩手前までなっていた。


母が薬剤師であるとともに、
子どもや孫に医療の専門家の多く、
「いつも同じ所が当たらないように、
時折体位を変えた方がいいよ」と注意を受けていた。

高齢ながら、
母の頭は極めてしっかりしていて、
尿等を漏らしたりするという粗相を
絶対したくないという気が明らかにうかがえる。

そのためか、
昼夜を問わず「オシッコがしたい」と、
たびたび声がかかる。

抱き起こして排尿・排便をさせると、
「あぁ、間に合った! 助かった!」と言う。

オシッコに度々起きなくてもよいように
「留置カテーテル」を入れたらと勧められると、
「絶対イ感!」と拒否する。

ある夜、
母が「今日は左を下にしてみてみる」と言って寝た。

例のごとく、
寝入ってしばらくは
1時間に1回ぐらいの割合で起きていた。

夜中の3時ごろだったと思う。
突然呼吸の乱れがして、
手足も冷たくなり、
力も絶え絶えになった。

これはただごとではないと
漢方薬(茯苓四逆湯)に牛黄末を浮かせて飲ませた。

それらを飲ませたうえで、
操体法の考えを活かし、
体のあちこちを動かしてみて、
一番楽になる体位を探した。

右手を動かしたり、
左手を動かしたり、
右足を動かしたり、
左足を動かしたり、
顎や首はもちろん、
肩・背中・腰・お尻に至るまで、
少しずつ微妙に動かして探った。

2時間少々そのようにしていたと思う。
やっと母の寝息が安らいで落ち着いてきた。

そのときの姿を見てハッとした。

なんのことはない、
今まで毎晩そうしていた寝姿なのである。

“寝相が悪い”と言う人があるが、
“病状が悪い”からこそしている、
“その時の一番楽になるポーズ”だと確信した。

“見た目が悪い”とか、
“印象が悪い”という事は、
人の勝手な解釈であることが多いのではないだろうか?


要は、
病状が悪ければ悪いほど大切なことは、
その人の、
その時の、
身も心も一番安らぐ「身の置き所」を
確保することにあるのではないだろうか?

願わくば、
その上に「仮にほんのわずかであったとしても、
快くなる方を動いて探りやすい状態にする」ことが
極めて大切なことだと痛感している。


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テーマ:心と身体のケアを大切に! - ジャンル:心と身体

コメント

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  • 2009/03/09(月) 00:19:49 |
  • |
  • #
  • [ 編集 ]

う~ん、、、深いですよね。
お久し振りです。カナダから毎度です。

やはり、難病の方で左を下にしてしか、寝られないという方が
患者さんでいらっしゃいました。
50代後半の女性でクッシング症候群の方です。
動診すると、左半身が右半身に比べて、ことごとく動きが鈍くコリが
溜まっている感じでした。

操法は、その左半身のコリを緩めることが最重要課題になります。
あまりに、その歪体度が激しいのでいろいろ聞いてみると
どうやら、寝る格好に問題があるように思われました。
要するに、左を向いて寝る癖がついて、それ以外では
寝付けないというのです。

しかし、毎度同じ歪みを抱えてくるということは、その寝る格好に
問題があるかと思い、反対を向いて寝てみるようアドヴァイスしました。

そしたら、、、、
次の週にいらっしゃった時に明らかに歪体度と疲労度が高いのです。
要するに、言われたとおりしたら、首から左肩に激痛が走るようになったことと、ほとんど2時間おきに目が覚めてしまうことと、疲労が激しくなったことをおっしゃられました。

即座に、反対を向いて寝ることは、間違ったと気付き、今までどおり
左を向いて寝るように、勧めました。

この方の、根本的な問題がまた別にあるようですが、、、、
今のところ手探りです。
左を向いて寝ることで、何とかバランスを保っていることが
やっとわかりました。

こういうことってあるんですね。。。。
実感です。

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