一週間前のことです。
92歳の母が、机の前の物に手を伸ばし、取り損ねて胸を打った。
身長168㎝、体重40㎏。 超細身。
「手を前に伸ばすと、右脇が大分痛い!」
少し忙しい時期だったので、応急処置としてキネシオテーピングと操体をさせてもらった。
結構、楽になったと喜んでくれた。
一昨日、「手は動かせるようになったけど、大きく息を吸うと、まだ痛い!」とのこと。
そこで、テーピングをしなおして、少し「呼吸の操体」をして貰った。
少し、そのやり取りを書いてみます。
操体法の基本は、≪痛い方から、痛くなくなる方へ、気持ちよく動かすと、痛みが治る≫です。そこで、
私:息を吸ってみて、痛みを感じたら教えて!
母:ス~ ~ ~ ~ッ ウッ 痛い!!!
私:ソコまで吸ったら“大分痛い”のと違う?
母:そう! 大分痛い!
私:“少し痛い”というところ辺りから、気持ちよくなる方へ戻して!
ハッキリと確認できなくても、感じ始めたところから戻しても、
動いた分だけは、全部一緒に消えちゃうよ!”
ゆっくり ゆっくり 息を吸いながら、何かを感じ始めたら教え
て!
母:ス~ッ ココッ
私:少しだけれど、痛いと言うことは、良いこと? 悪いこと?
母:良くないこと、
私:じゃ そこで、ほんの少しだけ“吸い足す”のと、“吐き出す”の
と、どっちが楽になるか見分けてみて!
どっちが、痛む? 痛まない?
母:そりゃ 吸う方が痛い!
私:痛いのは、良いこと? 良くないこと?
母:良くないこと・・・
私:じゃ ソコ(折り返し点)から、戻してみよう!
ゆっくり ゆっくり ゆっくりと、“減る方”へ、“減る事”を感じな
がら、“減る様”に動いてみよう!
母:ハ~ ~ ~
私:少しだったけど、痛かった感じが消えたら教えて!
母:ハ~ッ ココッ
私:消えきらなくても良いよ!
一番消えたところ、それが“今のベスト”・・・
母:これで痛くなくなった・・・
私:そのまま“消えた処の、消える力”を抜かずに、全体の微調整をしてみよう!
腰の据わり具合は良い?
母:・・・・・(胸も、そして腰も、何ともない!)
私:背骨が、抵抗感もなく、気持ちよく立ってる?
母:・・・(背骨も微調整)
(胸も、腰も、そして背骨も、何ともない!)
私:右の肩甲骨と、左の肩甲骨の、“折り合い”は良い?
母:・・・(胸も、腰も、そして背骨も、肩甲骨も、何ともない!)
私:右手と、左手の、“折り合い”は良い?
母:(胸も、腰も、そして背骨も、肩甲骨も、手も、何ともない!)
私:首の“治まり具合”は良い?
母::(胸も、腰も、そして背骨も、肩甲骨も、手も、肩も、首も、何ともない!)
私:目線や、顎や、耳の治まり具合も、微調整して!
母:・・・ ・・・ ・・・ ・・・・・・
私:膝も、足元も・・・・
母:胸も、腰も、そして背骨も、肩甲骨も、手も、肩も、首も、膝も、足元も、何ともない!)
私:ジワ~ ~ ~ ~ッ と“からだ全体が、何とも無い”様に!
母:(上から下まで、何もなし)
私:充分に“快くなる力”が行き渡ったら、そこに落ち着けて!
母:(スーーッと脱力)
私:もう一度、息を吸ってみて!
母:ス~ (まだ、痛くない!)
ス~ ~ (まだ、痛くない!)
ス~ ~ ~ ~ッ (まだ、痛くない!)
??? ・・・大きく吸っても、痛くない!!!
今朝も、母は朝食時に「しょっちゅうしているよ!」と微笑んでくれました。
この何気ない笑顔は、みんなに幸せをもたらしてくれました。
方法や技術を越えたもの。
「いのちとの関わり方」の原則。
これが共有できる日を夢見て・・・ 合掌
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